研究室紹介

漢方和漢薬調査研究センター

1. 研究の概要

漢方薬は医療現場、漢方薬局、ドラッグストアなど様々な分野で使用・販売され、一般にも認知されているといえるが、その使用・販売実態については、個々様々で、一定の運用理論に基づいて使用されているとは言えず、病名や症状によって安易に使用されることが多いのが現状である。
本来漢方は、漢方の理論に基づいて運用されるものであるが、現在の日本においては、漢方理論そのものにもいくつかの流派があり、また近年の中医学の流入とも相まって、理論ごとに違いが生じ、一般には、漢方理論の全体像が理解しにくいものとなっていることも否定できない。
漢方和漢薬調査研究センターの目的は、日本漢方の立場から、シンプルで、運用しやすい漢方理論を啓蒙し、一定の理論に基づいた漢方薬・和漢薬の運用をめざすことである。また、それらが、漢方薬を運用する多くの現場に啓蒙されるよう、実態調査や啓蒙活動を行ってゆくことを目的としている。また漢方薬だけに止まらず、薬膳、食養、養生法、鍼灸、など漢方理論に基づく横断的な分野についても取り上げ、人々の健康に寄与できるトータルな漢方療法のあり方を研究することも目標としている。

2. 著書
  1. 台所薬膳: 根本幸夫、大石雅子、松﨑英司、西島啓晃、万来舎 (2015.4)
  2. 台所漢方:根本幸夫、大石雅子、松﨑英司、池田書店(2015.12)
3. 学術論文

原著論文(邦文誌)

  1. 小松 一、小松信子、西島啓晃、都築繁利:足の井穴刺絡および細絡刺絡が奏効した2症例,日本刺絡学会誌,第17巻,1号,113-116 (2016).
  2. 小松 一:ニュージーランドの鍼灸事情1,日本刺絡学会誌,第17巻,1号,127-128 (2016).
  3. :西島啓晃, 大石雅子, 都築繁利, 根本幸夫:漢方医学と自然治癒力、日本催眠学会誌『催眠と科学』(審査中)
  4. 根本幸 夫、西島啓晃:漢方における気のとらえ方‐漢方における小児科の確立と脈気の見方、日本小児東洋医学会誌(審査中)
4. 学会発表

国際学会招待講演

  1.  Hajime Komatsu: Hara Diagnosis and Japanese Acupuncture Technique. New Zealand Register of Acupuncturists, Wellington Group Meeting (2015.3.14)
  2. Hajime Komatsu: Japanese Shiraku Technique. New Zealand Register of Acupuncturists, Wellington Group Meeting (2015.5.9)
  3. Hajime Komatsu: Hara Diagnosis and Kampo Medicine. 38th New Zealand Register of Acupuncturists Annual Conference. (2015.8.14)

国内学会一般講演

  1. 根本幸夫:漢方における気のとらえ方‐漢方における小児科の確立と脈気の見方、第43回日本小児東洋医学会シンポジウム、2015.9.20.
  2. 阪田泰子、大石雅子、西島啓晃、都築繁利、根本幸夫:更年期女性における漢方薬を活用した薬局からのセルフメディケーションを考える、更年期と加齢のヘルスケア学会(2015.3)
5. 講演・出張講義
  1. Hajime Komatsu: Shiraku Japanese Blood-Letting Technique. New Zealand School of Acupuncture and Traditional Chinese Medicine (2015.9.1)
  2. Hajime Komatsu: Japanese Acupuncture Technique. New Zealand School of Acupuncture and Traditional Chinese Medicine (2015.11.3)
  3. 根本幸夫:メンタル ヘルスにおける証と方剤、東京若手漢方医会、池袋若手漢方医会、2015. 5.19
  4. 西島啓晃 大石雅子、川本寿則: 漢方の捉え方、イオン・ハピコム人 材総合研修機構2015.9.5,15,26
  5. 大石雅子:更年期女性における漢方 薬を活用した薬局からのセルフメディケーションを考える. 第14回更年期と加齢のヘルスケア学会、2015.10.25
  6. 根本幸夫: 肩こり、北千束自治会、2016.2.24
  7. 根本幸夫: 傷寒論講義、JPS 漢方特別講座 2016.3.13
  8. 根本幸夫、西島啓晃、大石雅子、川本寿則: 傷寒論・漢方理論について、総合漢方医学堂、.2015.4 ~ 2016.3 (年間10回、継続中)
6. その他
  1. 根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、小松一、都築繁利、青木浩義、降籏隆二、根本安人他:日本薬局方及び局外生規収載生薬の調査 
  2. 根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、小松一、右近保、都築繁利、外郎武他:「漢方 294 処方生薬解説」編集作業
  3. 伊田喜光、根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、右近保、小松一、都築繁利、外郎武他: 「漢方重要処方 60」(2013 年度より継続、同シリーズの企画作業)
  4. 根本幸夫:本日は健康相談の日―教えて先生、繊研新聞、(2015.6より月1回掲載、継続中)
  5. 根本幸夫:歌に詠まれた植物、歌誌「星座」、かまくら春秋社、2015.4~2016.3(2001より継続中。年3回)

以上

研究室名称 漢方和漢薬調査研究センター
スタッフ 特任教授: 根本 幸夫
教  授: 福澤 素子
特任准教授: 小松 一
客員教授: 只野 武
教室連絡先 TEL:045-859-1300(受付担当: 田中 哲
研究・活動内容

漢方および和漢薬の調査研究及び啓蒙のため、講演活動や調査、著作物の出版などの活動を行っている。

<講演活動>(2014年度)

 

日 付

名 称

演 題

主 催

2014. 6.3

東京若手漢方医会 

講演 根本幸夫 「漢方処方の構成と証の関係について」

池袋若手漢方医会、(株)ツムラ 共催

2014.8.31,9.7,14

薬剤師向け総合研修

講演 根本幸夫 西島啓晃 大石雅子「漢方の捉え方」

イオン・ハピコム人材総合研修機構

2014.10.3

第30回日本催眠学会学術大会

シンポジウム シンポジスト参加 根本幸夫
「漢方医学と自然治癒力」

日本催眠学会

2014.11.16

JPS漢方特別講座

講演 根本幸夫「傷寒論講義」

ジェーピーエス製薬

<厚労行政関連活動>(2013~2014年)

○「医薬品のネット販売に関する新たなルール作り」への参画
社団法人日本漢方連盟と協力し、漢方の立場から「医薬品のネット販売等の新たなルール作り」に参加した。
 2013.2.16~2013.6.11
「ネット販売等の新たなルールに関する検討会」に検討委員および参考人として参加。
根本幸夫、西島啓晃、大石雅子
 2013.8.15~11.6
「一般用医薬品のインターネット販売ルール策定作業グループ」の委員および参考人として販売ルール作りに参加。根本幸夫、西島啓晃、大石雅子

○厚生労働科学研究申請(2014.2.28申請)
参議院議員秋野公造氏および魚鱗癬の会からの要請を受け、平成26年度厚生労働科学研究委託(創薬基盤推進研究事業)研究計画として 「先天性魚鱗癬紅皮症に関する東洋医学的病態把握と食物療法・漢方治療ならびに 薬用植物を用いた創薬の可能性の研究」についての申請書を提出した。
伊田喜光、根本幸夫、都築繁利、西島啓晃、大石雅子、外郎 武、小松 一、右近保他

<特別講義>


横浜薬科大学において、特別講義を行っている。
2014 年の特別講義は以下の通り。

1)2014.6.26 臨床漢方治療学 右近保 (社団法人 日本配置販売業協会会長) 特別講義「配置販売業(置き薬)の歴史と現状」
2)2014.6.26 臨床漢方治療学 秋野 公造(参議院議員、元厚生労働省 疾病対策課・血液対策課課長補佐)
  特別講義「薬事法と血液製剤の安全対策について」 
       「薬事承認と保険適用のプロセスについて- ピロリ菌除菌の保険適用の事例を通して -
3)2014.11.25 漢方薬膳学 松﨑英司
薬膳実習
これまで学んできた薬膳理論を、学生が実際に調理し試食することによって、より実践的に薬膳を学ぶことを目的としている。また、その効果を五感で体験することにより、理論をより身近なものとし、卒業後の業務等での漢方運用の際に、具体的なイメージを持って食事指導が行えるよう指導した。

<研究出版活動>

 ○「漢方210処方生薬解説」(じほう)改訂作業(2014.5~継続中)
平成20年9月に、厚労省より通知された「一般用漢方製剤承認基準」の追加・改訂によって、一般用漢方製剤は、従来の210処方から294処方に大幅に追加された。それに伴い、それらの処方に配合される生薬の解説書の改訂が望まれていたが、今年度よりその改訂作業を行っている。新たに30種類の生薬を解説し、また、従来より収載されていた生薬についても、今回追加された処方における、生薬の配合による作用や、新たに追加されたエビデンスなどの情報の整理・編集を継続中である。
根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、小松一、右近保、都築繁利、外郎武他

 

○「漢方重要処方60 横浜薬科大学漢方和漢薬研究センター編」(万来舎)の出版(2014.3)

漢方重要処方60 表紙 厚生労働省より、「卒業後の薬学部学生や、現在医薬品販売の現場に立つ人たちが、漢方を実践的に運用するためのガイドラインとなるようなものができない か」との提案を受け、古今の文献、および臨床現場での漢方運用法などを精査・研究し、その成果をまとめ、初学者にも分かりやすい漢方処方解説書として「漢 方重要処方60」を出版した。
伊田喜光、根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、右近保、小松一、都築繁利、外郎武他

○「漢方薬膳学 横浜薬科大学編」(万来舎)の出版(2013.5)

漢方薬膳学 表紙 漢方臨床の立場からの食事療法・薬膳療法を確立するため、古今の本草書並びに中国の薬食関連の文献を精査して、これまでの薬膳とは一線を画す「漢方薬膳」の提唱を行い、その研究成果を書籍としてまとめ「漢方薬膳学」を出版した。
伊田喜光、根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、松﨑英司、都築繁利、小松一他

○「漢方薬繁用処方実態調査 横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター編」の出版(2013.2)

漢方薬繁用処方実態調査 表紙 漢方薬は医療現場、漢方薬局、ドラッグストアなど様々な分野で使用・販売されているが、その使用・販売実態について、横断的に調査されたことはなかった。 本調査は、個々様々なチャネルでの漢方薬の使用のされ方や、繁用処方について調査した初めてのものである。本調査により、さまざまな販売・使用実態が明ら かとなり、今後の漢方薬の運用を考える上での貴重な調査報告となっている。
伊田喜光、根本幸夫、大石雅子、西島啓晃、右近保、小松一、都築繁利他

○「新版 古代出雲の薬草文化」(出版新社)の出版(2013.5)

古代出雲の薬草文化 表紙 古来より薬草の文化が根づく出雲に焦点をあて『出雲国風土記』、『大同類聚方』、『延喜式』などに見られる薬草および薬草処方の同定、医神大己貴命をはじ めとした古代日本に伝わる医薬の神々の薬方、『延喜式』における出雲国の薬草貢進の状況と薬草の用途、紫草の用途と変遷など、様々な角度からの検討を行 い、古代の薬草文化を見直しを行った。
伊田喜光、根本幸夫、西島啓晃、大石雅子、都築繁利、小松一、右近保、他

<啓蒙出版活動>

漢方の普及と初学者や一般消費者の漢方への理解を深めるために、一般書の出版を行っている。

1)「マンガでわかる東洋医学」池田書店(2013.12)

東洋医学 表紙 漢方は、初学者、特にこれから漢方を学ぼうとする学生の人たちにとっては、なかなか入りにくいものである。その原因として、まず、漢方の原典が、漢文であ るということがある。さらに漢方理論がいくつかの流派に分かれていることや、日本漢方と中医学をとってみても異なった理論体系の上に成り立っていることな どがある。本書は、マンガというものを通して漢方理論をできる限りシンプルに紹介し、漢方の生理学・病理学・そして『傷寒論』を中心とした漢方薬の運用理 論を俯瞰し、分かりやすく解説して、学生を中心とた初学者のための入門書とした。
根本幸夫

2)「おうちではじめよう漢方生活」かんき出版(2014.12)
女性を中心として、病院に行くほどではないが、身体の不調を感じる人向けに、身近に行う事でのできる漢方療法を紹介したもの、すぐに実践できるような、食養・養生法・漢方薬・ツボ療法などを幅広く、また様々な漢方療法を横断的に紹介した。また、そうした療法が有機的に結びついていることを知らせ、漢方の基本的な考え方を理解してもらうこととした。
根本幸夫、大石雅子、松﨑英司

3)「台所薬膳」 万来舎 (2015.4)

昨年上梓した「漢方薬膳学」を一般向けに、わかりやすく編集しなおしたもの。一般の人を対象に、日頃食卓に上るような食品の効能について、記すとともに、薬膳の基本的な考え方や基礎理論についてもわかりやすく紹介した。

根本幸夫、大石雅子、西島啓晃

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