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教職課程センター 梶 輝行教授が日本学習社会学会第14回大会で研究成果を発表

2017-09-11

 本学教職課程担当の梶輝行教授が9月9日(土)に国士舘大学世田谷キャンパスで開催された日本学習社会学会第14回大会において、「学校カリキュラムを支援する教育行政の実践的施策-カリキュラムセンター機能の充実と強化を中心に-」という研究テーマで成果発表を行いました。

 梶教授は、平成29(2017)年3月に告示された小学校と中学校の学習指導要領の改訂内容を踏まえ、各学校で新しい教育課程の編成とそれに伴う授業準備の移行期を迎え、教員の授業づくりや学校のカリキュラム開発等を支援する教育委員会による教育行政の考え方・在り方について、全国の教育センター・教育研究所のうちで設置が見られるカリキュラムセンター機能に注目。

新学習指導要領の理念である「社会に開かれた教育課程」の形成と定着に向けて、学校・教員のカリキュラムサポートを行なう、研修・研究・相談・情報提供等の機能を集中するカリキュラムセンター機能の充実と強化が重要であることを指摘。

平成13(2001)年4月に神奈川県立教育センターが、所内に研修・研究・相談・情報提供の4機能を有するカリキュラムセンター機能を設置し、併せて同年7月にその中核施設としての「カリキュラム開発センター」を開設したことを契機に、その後は全国教育研究所連盟等での紹介と同連盟の「カリキュラム研究協議会」を通じた研究普及と啓発により、全国で設置が広まった経緯を紹介。併せて「カリキュラムセンター機能」のわが国での提唱やその理論形成についても考察結果を報告。梶教授の調査によれば、平成20(2008)年の調査で30都道府県が導入して63.8%の設置率であったのが、今年平成29(2017)年の調査では24都道府県が導入して51.1%に縮減している実態が判明。その背景に行政機関の機能縮減、いじめ防止や特別な支援を必要とする児童・生徒への対応として相談機能の充実、さらには教員の大量退職・大量採用を迎えて初任者の教員研修の増加に伴う事業改善などが主な要因になっていることを紹介。今回の学習指導要領を踏まえ、これから学校カリキュラムの支援は重要性が高まることを、「カリキュラム・マネジメント」の定着や「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業づくりなどの改訂内容のいくつかを取り上げて必要性を指摘し、全国の教育センター・教育研究所で改めてカリキュラムセンター機能の設置と強化を教育行政として実施していくこと、また国レベルでのナショナル・カリキュラムセンターの設置の必要性とそこを核とした全国ネットワークの形成により、わが国の学校教育の質的向上を図る指導行政改革への着手の必要性も結論的に指摘。

参加者からは、全国の都道府県レベルの教育センター・教育研究所に設置されたカリキュラム機能が、市町村が設置する学校のカリキュラムをも支援の対象に含む機能として充実させていくことの必要性や、これからの学習指導要領に対応した教育行政において有用なカリキュラムセンター機能であることなどの意見が寄せられた。また、今回の発表では紹介できなかった、カリキュラムセンター機能が学校のカリキュラム支援に効果的にはたらいている事例についても聞きたかったとする意見・感想も寄せられ、活発な協議が展開。

今回発表した内容は、梶教授が取り組んでいる研究成果の一部の中間報告的な発表。成果全体については今年度中に公表予定とのこと。

発表の様子  

 

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(梶 輝行 日本学習社会学会会員・同学会編集委員会委員)